なぜ「革命」を行わなければならないのか、その理由や経緯などについて具体的に説明してありました。そして、「革命」をおこなった結果についてのメリットや成果を、様々な業種について紹介されていました。少なくとも「働く人」は一度読んでおいた方が良いと思います。
ただ、「労働時間革命」を行わなければならない理由や経緯、「革命」をおこなった結果やメリットは具体的なのですが、「どのように労働時間革命を進めたのか?」という点については、すこし説明が足りないように思います(著者の別の本で詳しく説明しているとのことです。商売上手(?)ですね)。
今回、久しぶりの本の紹介では、「あえて」別の著者の本を紹介しましょう。
「時間術」というと、個人対象の戦術的なノウハウをイメージされるかもしれません。けれども、この本には、会社(チーム)全体に関わる戦略的な話も登場します。
著者は、働き方改革関連で、テレビなどにもたびたび登場しておられるので、顔を見れば見覚えのある方もいるでしょう。
文庫ですから、約160ページほどの薄い分量の上、見開き2ページの半分は文章、半分は図表やイラストなので、全体として、とてもカンタンでシンプルです。
しかし、かかれている68個のノウハウは、社員ひとりひとりが取り組むべきノウハウから、会社が組織として取り組むべきマネジメント法まで、広範囲にバランスよくカバーしています。
たびたび指摘されることですが、「働き方改革」というテーマについては、労働者が推進勢力で会社が抵抗勢力・・・という単純な構造ではありません。
経営者が推進していても、中間管理職が抵抗している。労働者の中にも、自分の時間を大切にしなければならない事情がある人もいれば、高度経済成長期の成功体験を引きずっている人もいるでしょう。
会社が組織として、みんなが納得できるような方向性を示すことが大切です。
この本の中には、随所に「なぜ必要か」というリクツを納得させるようなキーワードが、具体的な数字や事例と共に、たくさんちらばめられています。
書かれている68個のノウハウは、シンプルでオーソドックスなものがおおいですが、「自分の会社で、組織として実行するには?」という視点で読めば、参考になることが多いのではないでしょうか?
68個のノウハウすべてを実行しなければ効果がない・・・ということではありません。
自分を取り巻く状況にあわせて、一つ実行すれば一つ分の、二つ実行すれば二つ分の効果がでることでしょう。
本書で紹介しているノウハウをひとつだけ紹介します。
たとえば、1日2時間の残業を必ずおこなっている職場で、今日の残業を昨日より22秒短縮し、明日の残業を今日より22秒短縮する・・・というように、前日よりも22秒ずつ短縮していけば1年で半減するという計算になります。
「机上の空論」と思うでしょうか?
このノウハウは、数字そのものよりも、「働き方改革の取り組み方」を具体的にイメージして、みんなで共有するのに、とてもわかりやすい説明のしかただと思います。
一人ではなく、チームで取り組むことがポイントらしいですよ。
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