先日、法律で「作成」と「3年保存」が義務づけられる「年次有給休暇管理簿」について確認してみました。
厚生労働省のホームページで公開されている「年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説 (2018/12掲載)[1,337KB]」にかかれているように、「労働者名簿」や「賃金台帳」に加えるかたちで作成する方法もありますが、カンタンに加えることができないケースも考えられます。
そこで、今回は「年次有給休暇管理簿」を、単独で作成するケースを想定して、実際にEXCELシートを作ってみました。タイトルにあるように、あくまでも「評価版」です。実務で利用するときは、状況にあわせてカスタマイズして、自己責任でご利用ください。
基本的な考え方
今回の「年次有給休暇管理簿(評価版)」では、「スピード」を重視しています。
評価版・たたき台の段階で早期に公開し、カスタマイズや修正・改良を加えてもらうことを想定しています。アジャイル開発です(言葉の使い方、あってますか?)。
本来は、企業の規模や環境、いままでの管理方法などをふくめて検討する必要があるモノですから、今回の評価版は「ツッコミドコロを探す」といった「生暖かいスタンス」でご覧いただければと思います。
個人別年次有給休暇管理簿について
「個人別年次有給休暇管理簿」は、「年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説 (2018/12掲載)[1,337KB]」に記載されているフォーマットをベースにしています。
そのうえで、入社年月日や所属、年次有給休暇付与日(基準日)などを追加しています。追加にあたっては、北海道労働局のホームページの「年次有給休暇表」を参考にしました。
ただ、北海道労働局版は、「法定分」と「付加分」を合算して管理しているところが気になったので、分けて集計するように変更しています。「年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説 (2018/12掲載)[1,337KB]」のP21 Q6 にかかれているように、会社独自に付加した分を企業に義務づけられた5日から控除することはできません。 (ここで、「付加分」とは、法定分の年次有給休暇とは別に、企業が独自に設けた年次有給休暇のことだと思われます)
以上をふまえて検討した結果、こんなカンジになりました。いかがでしょうか?
なお、この「個人別年次有給休暇管理簿」は、基準日にかかわらず、年度の区切りにあわせて更新する・・・という運用を想定しています。基準日がバラバラの個人別年次有給休暇を、「前年度分からの繰越」というカタチで年度の区切りにあわせて管理しようという運用方法です。
一覧表について
今回の法改正で、「年5日の年次有給休暇の確実な取得」が企業に義務付けられます。そのためには、「年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説 (2018/12掲載)[1,337KB]」の「p17 コラム」に書いてあるように、「年次有給休暇の取得状況を確認するとともに、取得率向上に向けた具体的な方策を労使で話し合う」ことが重要です。
そこで、「全体の取得状況の見える化」のために、一覧表を作成することにしてはどうでしょう? とてもシンプルなものですが、イメージを作成しました。
なお、サンプルの労働者は3人なので手作業で集計してもたいしたコトはありませんが、これが数十人とかになれば、ちょっとメンドウクサイです。そこで、マクロでサクッと集計するようにしました。
一覧表から個人別年休管理簿をすぐに確認できるように、ハイパーリンクを設定しています。
サンプルファイルはコチラ
この記事を書くために、EXCELでサンプルファイルを作ってみました。集計表のマクロも実装済みです(方法は、コチラのblogに書かれていました)。
サンプルファイルを公開するときに、いつも書くことですが、注意点です。
- ウィルス等の対策はおこなっていますが、完璧である保障はできません。
- 私の環境では問題なく動作していますが、どんな環境でも必ず動作するとは限りません。
- 利用をして、なにか不具合が生じた場合に、フォローやサポートをすることはできません。
以上、ご理解のうえ、自己責任でご利用ください。
ということで、サンプルファイルはコチラです。一覧表と個人別管理簿をフォルダごとZIPで固めてあります(パスワードは設定していません)。
なお、今回、OneDriveではじめて共有してみましたが、うまく共有できているでしょうか?
カスタマイズのポイント
表をカスタマイズするときに、ポイントだと考えることをまとめておきます。
個人別年休管理簿について
今回の「個人別年休管理簿」は単なる管理簿ですが、申請や上司の確認などを行う場合、北海道労働局の年次有給休暇表が参考になると思います。
一覧表について
かんたんなマクロで集計するようにしています。スピードアップのために「ExecuteExcel4Macro」を利用しています。したがって、個人別年休管理簿から取得するセルの値が多いほど時間がかかります。
また、「ExecuteExcel4Macro」は昔のマクロですので、いつサポートされなくなるかも知れません。詳しくは、次のblogを参照してください。
最後に(お願い)
くどいようですが、もう一度書きます。今回のサンプルは、あくまでも「評価版」です。実務で利用するときは、状況にあわせてカスタマイズして、自己責任でご利用ください。
また、お気づきの点があれば、やさしく教えていただければ幸いです。ご要望の点については、私の能力の限界もあり、対応できません。
実務を担当されているみなさんにとって、この記事が少しでも参考になるよう願っています。