働き方改革応援団!

「働き方改革」を前進させるため、関連情報をネタにいろいろ考えてみたい。

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【働き方改革の本】GREAT @ WORK 効率を超える力

ビジョナリー・カンパニーの共著者の著作だというので、読んでみました。

GREAT @ WORK 効率を超える力

オオゲサな題名といい、「働き方改革への最終解答」というアオリ文句のセンスといい、なんだか手を出しづらくって、いままで見ていませんでした。

店頭で「監訳者のことば」を読んでみると、「組織よりも個人」とか、「制度先行の愚」とか、「本当の改革は構造改革を待たない」とか書いてあって、これは、個人主義の欧米で通用する話であって、「チームで働くスタイルの日本には向かないんじゃないか・・・」と思っていました。

私が個人的に考える、働き方改革の理想的な進め方は、「長時間労働の是正」にしても、「年次有給休暇の取得促進」にしても、チームとして連携して、全体で進めていく・・・というのが、基本的なスタンスです。

でも、一通り読んだ今、訂正したいと思います。「現状に問題を感じ、変革を志す人は、「構造改革」の名の下に制度設計に逃げてはいけない」という監訳者の言葉は耳が痛いかぎりです。まず、個人でできることをドンドン進めていくのも、ひとつの方法かな・・・と思うようになりました。

この本では、「賢く働くための習慣」が7つにまとめてあります。このうち4つは、個人で取り組むべき習慣です(つまり、構造改革を待たなくても良い部分です)。のこり3つがチームで働くことに関係する習慣です(日本において断行するのは、結構抵抗が多いと思います)。

目次にもある、7つの習慣をまとめてみましょう。

1.「すること」を減らし、そこに徹底する 2. 今そこにある仕事を「再設計」する 3. 「成長のサイクル」を巧みに回す 4. 「情熱 × 目的」を強力なエンジンにする 5. 「しなやかな説得力」で勝ち抜く 6. 解決を明日に持ち越さない 7. 一個のプロジェクトに全力投球する

いかがでしょうか?

「一生懸命働く」というのはダメで、「賢く働く」ようにしなければならないという主張なんですが、わりと普通の(表現を変えると陳腐な)習慣のように感じますが、実例や統計を交えた具体的な説明は、とても説得力があります。

「イギリスのスコット隊」と「ノルウエーのアムンセン隊」のエピソードを読めば、いま進めている働き方改革を見直したくなる人が続出するのではないか・・・という気がします。

本を読む前は、「個人の成績ばかりに固執して、全体最適がされないのではないか」などと勝手に考えていましたが、内容はちょっと違います。

たとえば、生産性を導き出す式は、一般的に「労働生産性 = 仕事のアウトプット ÷ インプットされた時間」で表されます。でも、本書で追求すべきとされているのは「生産性」ではなく「価値」で、それは「仕事の価値 = 他者へのメリット × クオリティー × 効率」で表されます。

ここで、「効率」というのは「生産性」と関連があるとしても、「他者へのメリット」「クオリティー」が低ければ、全体的に低い数値になります(どれかがゼロであれば、全体的にゼロです)。

私達が今取り組んでいる「働き方改革」は、「仕事の価値」として考えた場合、ただしい取り組みとなっているでしょうか?