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「解雇規制を緩和」と「同一労働同一賃金」

同一労働同一賃金」の問題が語られるとき、「労働市場の流動化」がセットで語られることが多いように思います。

この考え方を誤解をおそれず単純に言いあらわせば、「労働に見合わない低い賃金」しかもらえない人がいる原因は、「労働に見合わない高い賃金」をもらっている人がいるからです。よって、労働に見合わない高い賃金をもらっている人を解雇できるようにすれば、すべての労働者に「労働に見合った賃金」を支払えるのです。 ・・・と主張しているように思います。 (・・・と主張しているように思うんですけど、いかがですか?)

参考として、解雇規制緩和について、Wikipediaには、かなりくわしい説明があります。

正規社員の解雇規制緩和論< Wikipedia >

労働市場の流動化」が実現された場合(解雇の規制が緩和された場合)、どうなるのでしょうか?「解雇の金銭解決」を導入したイタリア事情を紹介した記事があります。

「解雇の金銭解決」が奏効したイタリアの実情 類似した社会構造を持つ日本は多くを学べる< 東洋経済online >

解雇規制の緩和をすれば、たしかに一つの企業に継続して務めることが出来る人が減るかも知れませんが、イタリアでは、労働市場改革を同時にすすめ、「労働市場全体で雇用維持をする」という施策をとったそうです。シンプルでわかりやすい提案です。

ちょっと気になる点(違和感を感じる点)があります。

「終身雇用」という言葉がやや時代錯誤になりつつあり、ひとつの企業に雇用保障を頼る時代はもう終焉を迎えています(「解雇の金銭解決」が奏効したイタリアの実情より)

と書かれていて、その点は私も異論ないのですが、今現在、「終身雇用・年功賃金」の枠組みで働いている人が相当数いるということについて「配慮が必要だ」という意見については、どのように考えているのでしょう。

「終身雇用・年功賃金」の枠組みで働いている人の多くは、「若い頃に貢献度より低い給料で働いた分、年をとってから高い給料をもらう」という認識です。(ラジアー理論)

ご参考 なぜ「働かないオジサン」の給与は高いのか?< 東洋経済online >

この記事でいう「働かないオジサン」の認識は、「今の非正規社員」がもらうべき給料が今の自分に上積みされているのではなく、「若い頃の自分」がもらうべきだった給料を今回収しているだけ・・・というものになります。

そういった「働かないオジサン」の認識からいえば、「今、貢献度よりも高い給料をもらっているからといって解雇される」ということは、若い頃の自分が会社に貸した「過去、もらうべきだった賃金」を「借りパク」されることです。

借りパク 借りパクとは、人から借りた物をそのまま自分の物にすること。 < 日本語俗語辞典 >

会社からいえば、「若い頃の自分がもらうべきだった賃金を回収しているオジサン達」を「同一労働同一賃金」の名のもとにドンドン解雇できるようになれば、「借りパク」し放題ということになります。

この問題は、解雇規制が容易に緩和されない理由として昔から言われていることです。

同一労働同一賃金」のために「雇用の流動化」が必要だ・・・という意見は、シンプルで合理的だと思いますが、終身雇用・年功賃金の枠組みで働いてきた労働者の、「過去もらうべきだった賃金借りパク問題」と、どのように折り合いをつけるのかという点が気になります。

バブル崩壊以後、「終身雇用・年功賃金」の枠組みで働いている人が少なくなってきていると思いますが、まだ相当数残っているのではないでしょうか? (そして、労働者に対するアンケートでは、「終身雇用・年功賃金」の人気はまだまだ高いようです)