会社には「社員を解雇する権利:解雇権」が認められています。
当然ながら、法的に認められている権利を行使した結果が、違法になるわけではなりません。
誤解のないようにすこし補足しておきましょう。
「法律で禁止されている解雇」というモノはあります。
アレ?これだけ?
たとえば、社長と労働者が仕事とは関係ないケンカをしたあげく、「社長のワシの言うことが聞けないんだったら、おまえなんかクビじゃぁ~~っ!!」って言った解雇とか、禁止されてないの?
禁止されてないんです。
禁止されていないかわりに、無効になる可能性はあります。
でも、考えてみてください。「解雇が無効になったらどうなるか?」ってこと。
解雇が無効になれば、「労働契約が継続する」ことになります。つまり、元通り働ける・・・ってことです。
でも、元通り働けるということが「労働者にとって幸せな解決方法」だとは、かならずしも言えない現実があります。
陰湿ないじめ・パワハラにさらされるかも知れません。不当な人事評価を受けるかも知れません。出世/昇進なんか、とても望めるような状況ではないかも知れません。
今回、「労働者の、解決金を請求する権利」を、新しく設ける案が、提示されました。
結果として、労働者は「地位確認の請求(解雇無効を訴える)」か「解決金の請求」か、2つの「請求」から選べるようになります。
解雇無効をめぐる争いが、実際どのような解決に至っているか・・・ということを考えると、現実的な解決に至る1つの案だと思います。
もっとも、新聞報道によれば、議論は紛糾しているようです。
解雇の金銭解決、議論紛糾 社員の解決金請求権提示 厚労省検討会< 朝日新聞DIGITAL >
まとめ
今回の案は、「労働者に新しい権利として、解決金請求権を認めよう」という案です。
念のため、一次資料を確認してみましょう。
第13回透明かつ公正な労働紛争解決システム等の在り方に関する検討会< 厚生労働省 >
この検討会で示された「資料No.1 検討事項の補足資料(PDF:368KB)」の表題にワザワザ付け加えられた注釈には、「※第12回検討会における各委員の御意見を踏まえ、議論の素材として作成したもの(制度の導入を前提としたものではない)」と書かれています。
労働者側、使用者側の意見が対立した議論を整理する意図もあるようです。
解雇については、働き方改革、同一労働同一賃金にも深く関係する項目です。冷静に検討して欲しいですね。
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