働き方改革法案の施行を目前にして、どう対応したら良いのか・・・なんて、今さら言っている場合ではないと思うんです。なんせ、法律が改正されているのですから。
けれども、現場では、「働き方をどうするか?」といった問題に、会社全体のコンセンサスを得られているとは思えないんですけど、みなさんの会社ではいかがですか?
私は仕事柄、さまざまな働き方改革の現場の声を聴く機会がありますが、働き方改革を進めようとすると、あらゆるところから反対意見や疑問の声が出てきます。これだけ新聞やテレビやネット等で、「なぜ、働き方改革を進めなければいけないか」についての情報が流されているのにもかかわらず、その「目的」や「意義」がキチンと届いていないんじゃないか・・・と感じることがあります。
また、対応についても、「現場の仕事の内容」に基づいてシッカリ対策をたてる・・・というよりも、「現場に丸投げ」や「ムチャ振り」などが横行しているようにも思えます。
働く時間を減らして、業績が悪くなったら「誰が」「どう」責任を取るのか。
労働人口が減少するのに、労働時間を制限してうまくいくはずがない。
ガムシャラに(長時間)働くことで、人は成長できる。
残業代コミで生活設計しているのに、残業がなくなると生活していけない。
・・・といった意見がでるのには、「それなりの理由」があります。「それなりの理由」があることは確かですが、そこで思考が停止しているケースが多いのが残念でなりません。
「働く時間を増やして業績を上げる」「労働人口減少を補うために長時間労働をする」「成長するためにガムシャラに長時間働く」「生活費を残業代で補う」といったことが正しいのかどうか、これからも続けていけるのかどうか、さらに掘り下げて考える必要があると思います。
「残業学 明日からどう働くか、どう働いてもらうのか? (光文社新書)」では、独自の「大規模調査データ」をベースにして、難しい課題を取り上げています。自分の会社の「働き方」をどうすべきなのか、議論をおこなう前に読んでおくことをおすすめします。
残業学 明日からどう働くか、どう働いてもらうのか? (光文社新書)の内容(目次ではありません)
第1講:日本における残業の歴史と、残業文化が根付いた背景
第2講:大規模調査で明らかになった、日本の残業の実態
第3講:「残業麻痺」について
第4講:残業発生の要因「集中」「感染」「遺伝」について
第5講:「残業代依存」について
第6講:「働き方改革」の効果検証
第7講:残業削減施策を成功させるためのポイント
第8講:「マネジメントの変革」「組織の変革」
最終講:将来の展望にかかわるメッセージ
かなり興味深い内容が網羅されていますね。働き方改革に関するスタンスの違いはいろいろあっても、一度読んで置くことをオススメしたいと思います。